食事中、お茶の時間、むせて苦しい思いをしたことはないですか?
飲食物が食道でなく、誤って気管に侵入してしまう事を「誤嚥(ごえん)」と言います。私たちのからだは、誤嚥を防ぐ防御反応として、咳を出させます。
唾液の減少 → 食べ物を飲み込みやすい塊にまとめられない
噛む力の低下 → 飲み込みやすい大きさまで嚙み砕けない
反射神経の衰え → 気管に食べ物が侵入するのを防ぐ蓋(ふた)が間に合わない
筋力/感覚の低下 → タイミングよく「ごっくん」と飲み込めない
脳卒中の後遺症、パーキンソン病などの神経疾患、認知症の症状
「むせるから食事がこわい」「むせて疲れる」 徐々に食事量が減ることで、低栄養に陥ることもあります。むせた際に口の中やのどの細菌が肺組織に障害をもたらして誤嚥性肺炎を引き起こすこともあります。また、食物が気道を塞いで窒息することもあるのです。
食べるときの姿勢や、食べる/飲むことに必要な口まわりやのどの運動機能を保つことが大切です。また歯の状態や自分に合った義歯の有無も重要です。よく噛んで飲み込むことを意識して誤嚥を防ぎ、いつまでもおいしいものが食べ続けられる体づくりをしましょう。
嚥下機能検査は、外来でも行うことが可能です。耳鼻咽喉科または看護外来にご相談ください。
言語聴覚士 鈴木 麻衣子